2009年 08月 09日
花火 |
去年、帰省の折大曲の花火を見にでかけた。夏の各地の花火大会が終わった後、花火師たちがその技や力を競うことで知られる。しかし雨に降られてずぶぬれになり、東北の夏の終わりは肌寒く、やむなく途中で帰ったという話をしたところ今回、厚木の友人のマンションの桟敷席に招待される。
花火もいいのだが月や街の灯りもあらためてながめる。悠久のときをその姿に変わりなく見せる月、人の日々の営みを映す街の灯り、そして夏の一夜の興行である花火。時を知らせる打ち上げの音とともになにやら子どもの頃にも感じたようにこちらも導火線に火がつく。集まる衆目が空を見上げると、夜空をキャンバスに光が鮮烈に四方八方にはじける。音が少し遅れて一帯にこだまする。畳み掛けて次から次へと更に大きく強く花火の光の色が広がる。
バブルの頃はもっとすごかった。そんな話を聞きながら一時間あまりの花火の饗宴を堪能する。その後にテーブルに置かれた赤いスイカが種を程よく散らばらせて、今、目に焼きついた花火のようにも見える。日本の夏である。
by kai_koubou
| 2009-08-09 17:58