2009年 04月 29日
国立 和光保育園 |
工房から完成品として送り出した後,年数が経って、日常の使用と手入れによりまた魅力が深まっている木のものたちに出会うと素朴に感動する。
園長先生の言葉によれば「仏教園なのであらゆるものに命があり、それらを大切に使うことも園の姿勢としてとらえている。日常の衛生面での拭き込みと、木が乾いた感じになった時にオイルを拭きこんで手入れをしている。」とのことだった。初めて声をかけていただいてから20年近くになる。納品に時間がかかるので、予算が年度をまたぎ困るといわれつつも発注を受け、すこしづつ作り足してきた。
「園での仕事にエネルギーを使うと、家のことまで手が回らないのよね。」との言葉にも納得するし、自分も仕事で手一杯で家のものを手入れするまでいかない。しかし、かたづけと手入れは、ものや生活を良いたたずまいになるように、少しでも身につけるゆとりを持ちたい。おおげさかもしれないけど、日々を大事に暮らすことに通じるように思う。
1歳児室の間仕切り兼用収納棚の打ち合わせをしながら、子供らの無心の顔を見る。ひとりひとりがそれぞれに可能性をもつお宝だ。あと何年か経つと育った子供らの子どもが同じ椅子や机を使うこともなくわないと想像したりする。
by kai_koubou
| 2009-04-29 09:23
| 仕事